◆気弱で、繊細で、もがいていた。
「食べられなかったもの」で振り返るエッセイ集
様々なウェブ媒体を中心にライティング、取材で実績のある⽣湯葉シホさん。幼少期から20代までにかけて不安でたまらなかった自己の内面を「⾷べられなかったもの」の記憶とともにふり返る、初の単著となるエッセイ集。繊細な心の機微を捉え、共感を呼ぶ30篇です。
◆推薦コメント
生湯葉さんが書くものから伝わってくる覚悟を、怒りを、畏れを、疑いを、諦めを、照れを、潔癖さを、ぜんぶ積み上げて、神棚にして拝みたいくらい、どうしようもなく信じている。
尾崎世界観(ミュージシャン・作家)
怯えているけどやさしくて、すべてのものをよく見ている。
生湯葉シホさんは、私が心から信頼し、憧れている書き手です。
岡本真帆(歌人・作家)
◇著者プロフィール
生湯葉シホ(なまゆば・しほ)
東京在住。フリーランスのライターとして、Web・雑誌を中心にエッセイや取材記事を寄稿している。読売新聞のWebメディア「大手小町」にてエッセイを連載中。趣味はライブに行くことと香水を集めること。生湯葉のほかには豚汁が好き。最近、吹き矢教室に通おうか悩んでいる。
X:@chiffon_06
◇目次
はじめに
音を立ててゆで卵を割れなかった
あのドクターペッパーとってよ
カニ最高!
真夏の午後のかけうどん
なに食わぬもみじ饅頭
フォカヌポウ
腐ってしまった時間について
神戸さんのクイズ
日の差しすぎているデニーズで
ジェットストリーム・ザ・そうめんスライダー
貴婦人のワルツ
なまじろい
壊れかけの家系ラーメン
スーパースターの天ぷら
星野くんと湯豆腐
夏の致死量
水餃子って絶対言って
マリモ
8月、新宿三丁目にて
恐怖の砂糖工場
カップヌードルのかたちをした凹み
シフォン、シフォンとマカナは言った
爆ぜている火
パイプ椅子のうしろの
ゴディバはわかってくれる
先生
手に届かないものは何であれ美しいと私たちが思っていたころ
そういえば死んでいるおばあちゃん
聖体拝領
MUTSUの餌付け
◆読者はがきから
この本を目にしてまず思ったのは題名の奇抜さでした。毎日夜寝る前に1話ずつ読んでいたのですが、生湯葉シホさんが書かれるさまざまな描写が本当に細かく、感覚の鋭さに驚きました。次回作を楽しみにしています!
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京都の「鈍考」という私設図書館に置かれていて、タイトルに惹かれて手に取りました。読み始めてすぐ、これは買って大切に読みたいと思いました。
これまで食べられなかったものについてはあまり考えたことがありませんでしたが、振り返ってみると、好きな人との初デートでのハンバーガーや、作るのに失敗して石のように固かったマカロン……自分にもあったなと気付かされました。
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「毎日、なんのリハーサルもしていないまま舞台にあげられてしまった人のような気分でいました。」
この文を読んだ時に私は、この本を絶対に読まなくてはと思いました。
初めて訪れたお洒落な本屋さんで、店内をファッション感覚で見ていたはずだったのに、この本を手に取った瞬間に顔が熱くなり、汗でうねった髪の毛がどんどん広がり恥ずかしかった私を取り戻しました。
忘れてはいけなかった。塗り重ねてはいけなかった。
この本は、私の初めての自己啓発本となりました。
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本屋さんで立ち読みした1話目で「わ」「か」「る」の文字が頭の上にでっかくあらわれたような感覚になり、うんうんとうなずきながらこの本を読み進めました。
「手に届かないものは何であれ美しいと私たちが思っていたころ」に差しかかるとき、妙な緊張感があり、最後の文章を読み終えたころには涙を流していました。かつて高校生だった私が成仏していくような、優しい、あたたかい、切ないものが胸に残りました。
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私も20代の頃まで、「食べられない」という経験が多かったので、このエッセイを興味深く読みました。生湯葉さんは非常に文章が上手く、言語化能力に優れているところと、達観しているというか、一歩引いた目線で物語を見ているところがあるのに、当事者として出来事に巻き込まれたときのギャップが文章に出ていて、あまりにも魅力のあるエッセイ集だなと思いました。これからも応援しています!
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