


◆小津夜景とは何者なのかが垣間見える40篇の読書エッセイ
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山本貴光さん(文筆家・ゲーム作家)推薦
細切れに、駆け足で、何度でも、這うように、
本がなくても、わからなくても―
読書とはこんなにも自由なのですね、小津さん
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小津夜景さんはフランス・ニース在住の俳人です。綴る文章は言葉のつながりが瑞々しく、しなやかな連想に魅力があります。これまでの著作では谷川俊太郎さんなどから帯の推薦コメントをもらい、書籍が文庫化するなど注目が集まっています。新刊『ロゴスと巻貝』は単なる読書エッセイではなく、これまでの小津さんの人生と、そこから結びつく本の記憶を手繰り寄せ、芳醇な言葉の群で紡ぎ合わせ、過去と現在、本と日常、本の読み方、人との交際などについて綴った一冊になっています。
小津さんの本との付き合いは自由。流行りの本や気に入った著者にのみ傾倒するのではなく、時にそのときどきの境遇で出会った本に身をまかせ、時にその本の味を咀嚼できるまで何度も開くこともする方です。単なる読書エッセイではなく、本から生活の記憶を手繰り寄せ、当時の心情を豊かな語彙で結びつける、これまでの苦い生活の記憶も美化せずに切り取る潔さもある、この著者だからこそ選ぶことができる言葉が詰まったエッセイ。松岡正剛氏、池澤夏樹氏、谷川俊太郎氏という読書家が注目する俳人の、言葉と想像の糸の紡ぎ方が魅力の一冊です。
◇著者プロフィール
小津夜景(おづやけい)
1973年北海道の生まれ。俳人。2000年よりフランス在住
2013年「出アバラヤ記」で攝津幸彦記念賞準賞
2017年『フラワーズ・カンフー』(2016年、ふらんす堂)で田中裕明賞
2018年『カモメの日の読書 漢詩と暮らす』(東京四季出版)
2020年『いつかたこぶねになる日 漢詩の手帖』(素粒社)
2022年『なしのたわむれ 古典と古楽をめぐる手紙』(素粒社)共著、『花と夜盗』(書肆侃侃房)
2023年11月『いつかたこぶねになる日 漢詩の手帖』(新潮文庫)
◆読者はがきから
何年か前に友達が『いつかたこぶねになる日』を送ってくれました。しばらく積読していたのですが、読んだらびっくり、こういう漢詩を読みこんだ興味深い本だったんだと。
小津夜景さんの本をもっと読みたいなと思っていて、この本は出版されてすぐ手に入れました。半分以上知らない人の知らない本のことが書かれていて、まだまだ読みたい本は尽きないなと、教えられました。ありがとうございます。
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一冊読む中で、知らない単語や本がわんさか出てきました。知ってる本が出てきたときは親しみを感じました。
著者の背景を知らずに装丁に惹かれて購入しましたが面白かったです。
他の作品も読んでみたいと思いました。
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本の装丁に惹かれて購入しました。手に取ったきっかけは装丁でしたが、冒頭の章を読み、私も本は好きだけど読書家とはとても言えないなぁと共感を覚えました(小津さんは圧倒的に読書家だと思いましたが)。
自分自身の読書遍歴を思い出しながら最終章を読み、ページをめくっている時間だけでない読書とはこういうことか、と実感しました。
日常生活の中で、これまで触れてきた本の一節がふいに現れる感覚を自分だけのものとして大切にしたいと思いました。
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俳人ならではの著者の鋭い思考とまなざしが、柔和な文体とともに日常の生活の中での読書という行為について考えさせられ、また新たな視点を教えてくれました。幅広い読書によって明治・大正・昭和期とそれ以降の詩や哲学について読みやすい文章で、自分にとっては入門書のひとつとして楽しむこともできました。
今後も、読書論や本の整理についての話も読んでみたく思い、ご健筆をお祈り申し上げます。
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