敬愛しあう作家同士で絵本について語った対談集
1990 年に刊行されて以来長らく絶版だった絵本をテーマにした対談集『素直にわがまま』(1990 年偕成社刊) が待望の復刊です。長新太さん×五味太郎さんの対談にはじまり、絵本作家、小説家、詩人、編集者ら現在も活躍している18人の、時を経てもゆらがない信念と言葉。絵本とは、読者とは、ものづくりとは、仕事とは、芸術とは、人生とは――対談を通して、「絵本」を越えたヒントがもらえる、宝箱のような一冊です。
◇著者プロフィール
松田素子(まつだ・もとこ)
1955年山口県生まれ。偕成社にて「月刊MOE」の創刊・編集長を務め、1989年に退社。その後はフリーランスとして絵本を中心に300冊以上の本の誕生に関わってきた。長谷川義史、はたこうしろう、なかやみわなど、多くの作家のデビューに編集者として立ち会い、自身も翻訳者・著者として活動している。
◇目次
・長 新太×五味太郎
魚とか鳥なんかから愛読者カードがきたら最高だね。
・五味太郎×林明子
オッ、すごいことを言う。“世界中が絵本みたいなもの”って!
・糸井重里×高橋源一郎
わからないことのおかげで、世界の広さが見えるんだ。
・高橋源一郎×谷川俊太郎
ドラクエは絵本をダメにしませんよ。子どもっておとなだから。
・谷川俊太郎×山田馨
編集者の役割とか、絵本でやる意味が、もっと話されてもいいよね。
・山田馨×司 修
絵本をつくってる間は、自分を旅しているようなものです。
・司 修×岸田今日子
わからないところというのは、わかることがいっぱい秘められている場所なんだ。
・岸田今日子×スズキコージ
ある期間だけ尋常でなくなる、これがきっといいんだろうな。
・スズキコージ×小沢 正
つまりね、アカデルミックな人ってのが、必要なのよ。
・小沢 正×佐野洋子
絵本がなくても生命に別状はない。だから、絵本っていいのよ。
・佐野洋子×沢野ひとし
そこが全然違って、佐野さんはアーチストで、ぼくは職人的なんですよ。
・沢野ひとし×田中和雄
お金もうけよりも、気持ちもうけです。
・田中和雄×江國香織
ONとOFFの間が大事なんだよね。
・江國香織×高橋章子
素直にわがままになれるって、すばらしいことだよ。
・吉本ばなな×佐野洋子
感覚的には、いつもひとり。
・黒井健×五味太郎
一緒にいたいだけですよ。絵でそれにつきあってみたいだけです。
・復刊によせて(新規原稿):松田素子
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