◆“疑う”ことは学びの第一歩
科学者・池内了さんの数々の連載をまとめた一冊です。生物や宇宙など幅広いテーマに対して長年の経験を基に「疑問」を投げかけながら、考察しています。幅広いテーマと、科学者のあり方を問う文章は、様々な年代に読んでもらえる内容です。
◆編集者のおすすめポイント
本書を読むと大きく二つのことを知ることができます。一つ目は、科学の目で見る日常の面白さを知ることができること。原発等の科学技術、アリやタコ等の生物、ダークマターや宇宙などそのテーマは幅広いです。二つ目は、池内氏という一人の科学者が長年かけて築いた科学者のあり方を知ることができること。長年の執筆活動や講演、講義を基に、科学者は社会の中でこのような存在であって欲しいという切実な言葉を綴っています。科学に興味を持ち出した若い読者も、科学エッセイを好む読者にも、幅広い読者に興味を持ってもらえる文章です。
◇著者プロフィール
池内了(いけうち さとる)
1944年生まれ。宇宙物理学専攻。京都大学理学部物理学科卒業。同大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士(物理学)。名古屋大学及び総合研究大学院大学名誉教授。著書に『科学メガネ読本』(アノニマ・スタジオ)、『物理学と神』(講談社学術文庫)、『疑似科学入門』(岩波新書)、『科学の落し穴』『禁断の科学』(以上、晶文社)、『科学者心得帳』(みすず書房)、『科学の考え方・学び方』(岩波ジュニア新書)、『科学と人間の不協和音』(角川oneテーマ21)、など多数。
◇目次
まえがき
◆1章 科学知への疑いと探索
1 パラドックスの効⽤
2 トランス・サイエンス問題
3 多能性幹細胞を操る技術
4 戦争は最⼤の環境破壊である
5 科学理論を疑う
6 4⼈のノーベル賞
7 アインシュタインからの最後の宿題
8 原⼦⼒基本法の改変
9 オープンサイエンスの時代
10 ⽣命維持装置アルゴリズム
11 気象異変とバタフライ効果
12 2016年のイグノーベル賞
13 ホーキングの賭け
14 原爆のキノコ雲
〈科学者の今を考える①〉
15 科学の二面性
16 科学の終焉
◆2章 ⽣物世界への疑いと探索
17 ⼟の中から奇跡を発掘する
18 7割のアリは怠け者
19 視野と視差
20 ⼈類は狩られて成⻑した?
21 地球の主役は細菌
22 動物の環世界
23 ウイルスの共存・共⽣とは?
24 ⽣物多様性の意味
25 タコの⾼い知能を探る
26 進化・退化・先祖返り
27 バイオインスピレーション
28 フロリゲンが⾒つかった
29 ⿃の脳⼒
30 ⽣物の統⼀原理はあるのか
〈科学者の今を考える②〉
31 科学者・技術者の倫理規範
32 科学と技術の違い
◆3章 ⽇常⽣活への疑いと探索
33 人工知能の発達とスマート化
34 EPA⼊りのラーメン
35 ⻭科医院の数とコンビニの数
36 パブリッシュ・オア・ペリッシュ
37 サッカーの7:2:1の法則
38 ニュースの価値
39 QWERTY
40 交通事故との⽐較
41 62⼈=36億⼈
42 プロファイリング時代の個⼈情報
43 農業に不適な⽇本?
44 深刻化するマイクロプラスチック汚染
〈科学者の今を考える③〉
45 科学者・技術者の条件
46 科学者・技術者の社会的責任
◆4章 宇宙の脅威への疑いと探索
47 宇宙が戦場になる!
48 宇宙の泡構造の発⾒
49 宇宙背景放射の発⾒
50 ダークマターの発⾒
51 真空の変遷
52 検出できないのが成功
53 宇宙交通事故
54 宇宙を平和のために
〈科学者の今を考える④〉
55 科学の今⽇と明⽇
56 複雑系の科学
あとがき
◆読者はがきから
著者の具体例に基づく「一般的に正しいと思われていることが、ほんとうは疑わしい」というロジックに賛同する。疑うということは科学の進歩につながる。疑うためには問題点を挙げて、それを検証する作業が伴うから。続編もよろしくお願いします。
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池内さんの著書は、市民と科学の世界に誘うわかりやすくおもしろい良書が多く、ファンの一人です。「科学者のあり方」を示唆する池内さんの読みやすい書は若い世代にも普及できると思います。大学で科学を専攻している孫にプレゼントします。
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