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◆毎日食べるごはんのように、今日を味わいながら、
この世界を生きていく。
神戸に暮らす料理家・文筆家である高山なおみさんの日記エッセイが新装リニューアルです!
2016年に神戸へ拠点を移して6度目の夏から冬、2021年7月から12月の日記を収録。この頃は神戸新聞の連載がはじまり、神戸での暮らしを特集したテレビ番組がNHKで放送され、大きな話題となった時期です。高山さんが撮影した写真のアルバムと、日々の暮らしから生まれた「おまけレシピ」、書き下ろしエッセイ“「日々ごはん」と私”を収録しています。
巻末には、詩人・作家として活躍される最果タヒさんから「誰かの生活と私」を寄稿いただきました。
◆書き下ろしエッセイ“「日々ごはん」と私”より
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「なぜ日記を書くんですか?」と、よく聞かれる。
そういうとき私は、うーんと考え込んでしまう。なんでなんだろう。あったことがなくなってしまうのが淋しいから。そう答えたこともある。
でも、あったことはなくならない。今の私はそう思う。
ここまで書いて気がついた。もしかすると、あまりにたくさんのものごとが流れていってしまうからなのかも。しかも、流れているのはまわりだけでなく、自分自身もなのだ。
◇著者プロフィール
1958年静岡県生まれ。料理家、文筆家。2016年に東京・吉祥寺から神戸・六甲へ移住し、ひとり暮らしをはじめる。本を読み、自然にふれ、人とつながり、深くものごとと向き合いながら、創作活動をしている。
著書に『日々ごはん』『帰ってきた 日々ごはん』シリーズ、『暦レシピ』、『新装 野菜だより』、『本と体』、『自炊。何にしようか』、『気ぬけごはん』、『日めくりだより』、『毎日のことこと』、絵本に『どもるどだっく』『たべたあい』『それからそれから』(以上、絵・中野真典)など多数。
デザイン 脇田あすか
寄稿 最果タヒ
◆読者はがきから
静かにささやかに生きているのに、いつも人生を劇的に変化させている。こんなふうに日常を切り取って誰かに見せるには勇気が必要だし、それを自分から切り離す潔さだって必要。
ひとに弱さを見せられる強い人、というのはきっとこんな高山なおみさんのような人のことを言うのだろう。
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いつも本の帯に書かれた一文に、はっとさせられます。今回のタイトルになっている文も同様に、胸をぎゅっとつかまれるような感触がありました。
今の月に、当時の月の日記を読ませていただくことが好きです。3年前の12月はこうだったのか、と高山さんの記録を通して私自身を振り返っている時もあります。
ずっと続けていてくださりありがとうございます。
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髙山なおみさんの本に出会ってからずいぶんたちました。日記文学が好きで、『明日もいち日、ぶじ日記』『日々ごはん』『帰ってきた 日々ごはん』と出版されるたびに読んでいます。
なぜ好きなのか。まず正直で優しい、そして風景が浮かびます。とくに神戸に移られてから、一緒に神戸の風に吹かれています。一人暮らしなのに(私も一人暮らし)ていねいに暮らし、坂を下りて買い物に行ってたくさん買い物してもしっかり歩いて帰る。気取らずフランクで、ずっと応援しています。
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男性である自分でも、気さくに料理について語りかけてくれそうな、具体的でわかりやすい文章で楽しく読めました。そして、自炊というものと自らの生き方を改めて示してくれそうな気にさせる魅力的な本とも思いました。
私の周囲の女性に人気があり、その理由も改めてよくわかる気がします。
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