


誰ひとり取り残さないって、
きっとこういうこと。
暮らしやすく働きやすい社会環境を作るために。人だけでなく地域や自然とともに生きるために。一人で解決できなければ、組み合わせたり補い合ったりすればいい。既成概念を飛び越えて、社会との新たなつながりを提案する一冊。
リアルにつながること、集うことが当たり前ではなくなって、私たちは「つながり」について改めて考えるようになりました。生きる上での様々な困りごとは、みんながお互いの苦手を補ったり入れ替えたり、それぞれができることをやればいい。自分のためだけではなく、ときには誰かのために。この本で紹介するのは社会との新たなつながり方やつなげ方を生み出している人たちの取り組みの実例です。地域を循環させ、見方を変え、立場や役割を転換させる。誰ひとり取り残さない、みんなが生きやすい社会にするためのヒントや気づきがここにあります。
◆編者について
アノニマ・スタジオ(編)
アノニマ・スタジオは、2003年にスタートしたKTC中央出版の「ごはんとくらし」をテーマとしたレーベルです。食べること、住まうこと、子育て、旅、こころとからだ……暮らしを少し豊かにしてくれる生活書を中心に、本づくりやイベントを行っています。本書の関連書籍に『暮らしのなかのSDGs -今と未来をつなげるものさしー』(アノニマ・スタジオ編)、『ウェルフェア トリップ -福祉の場をめぐる小さな旅―』(羽塚順子著)など。
◆目次
社会とつながるとは?
1章 地域とつながる
凸凹のあるみんなで働ける環境をつくる
――夏目浩次/久遠(QUON)チョコレート
立場で線引きしない つながり方で、ゆるく長く
――藤田俊/フレンドフーズ
誠実でいることが未来への投資になる
――新里カオリ/立花テキスタイル研究所
2章 異なる視点でつながる
役割をはずし、ただ仲間として出会う、過ごす
――紅谷浩之 藤岡聡子/ほっちのロッヂ
他人とつながるには、まず自分とつながってみる
――志村季世恵/ダイアログ・イン・ザ・ダーク
パズルのピースを組み合わせて農業で共存共栄へ
――小島希世子/NPO法人農スクール
聞こえても、聞こえなくても 自然に出会い、一緒に暮らす
――伊澤英雄/しゅわハウス
3章 時間とつながる
新しい視点を得て、心強さを手に入れる
――東野華南子/リビルディングセンタージャパン
スコップひとつからの環境改善
――矢野智徳/大地の再生技術研究所
本来の生命のありようを次世代へ受け渡す
――野口勲/野口のタネ・野口種苗研究所
コラム
つながる先は、開かれている
――松村圭一郎/文化人類学者
押しつけられたアイデンティティからの解放
――高木俊介/精神科医
孤独でありながら、すべてと関係し合う私たち
――松本紹圭/現代仏教僧
ほどよくつながってもっと生きやすくなるためのおすすめブックリスト
◆読者はがきから
大変読みごたえのある内容で、こんなに熱中して読んだ本は久しぶりでした。私自身、生きづらさを抱える当事者でもあり、そんな方たちの居場所を今後つくっていきたいと思っていたときに出会えた一冊で、運命を感じます。みなさんそれぞれの取り組みがどれも本当に素晴らしく、温かく、心揺さぶられました。そのままの人間同士でつながり合える社会になれば、もっと優しい世界になりそうだと感じます。ぜひ第2弾も読みたいです!
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